消費税が上がる前が本当に建て時か?
業者のチラシやホームページを見ると、たまに
「消費税が上がる前の今がチャンス」
「低金利の今が買い時」
と、見た人の行動を促そうとする文章を見かけますよね。
じつは、私は20年位前に『建て時』だと言われたことがあります。
当時の金利は、今よりずっと高かったのですが、
「若いうちに建てて繰り上げ返済すれば、
お子さんの教育費が増える頃にはローンが終わりますよ。
ご夫婦の年齢を考えると、今が建て時ですよ」
と言われました。
でも、人の『建て時』は、それぞれ違います。
お得感につられたばっかりに、損をした人もいるでしょう。
■『建て時』でない人って?
・転職して3年以内の人
・最近入院したり、健康に問題がある人
・住宅ローン以外のローンを抱えている人
・頭金を用意できない人
・共働き家庭での出産などで、しばらく家計に波がある人
などです。
■それはなぜ?
金融機関は、必要以上のリスクを背負いたくありません。
きちんと返済してもらうために、
「勤務状況や健康に問題がなく、信頼できる人に貸したい」
と思っています。
その一般的な目安が『勤続年数3年以上』です。
クレジットカードの保有枚数や借り入れ可能額も問題になるのですが、
融資する立場になって考えると、
なぜ問題視されるのか納得できますね。
最近は、頭金ゼロで家を建てられる時代です。
しかし35年後、黒字経営の勤務先で、
あなたが健康に働いている保証なんて、どこにもありません。
私の周りにも、完済時の年齢が70歳以上という人はたくさんいます。
彼らの定年は60歳。
年金支給開始は、現状では65歳。
無収入の期間にローン返済をするのは無理なので、
全員が退職金での清算や、繰り上げ返済を考えています。
「家を建てる前に、もっと貯金しておけばよかったな」
という嘆きを聞くたびに、胸が痛くなります。
誰だって、金利や税金に余計なお金を使いたくありません。
しかし、そのために長期間無理をするのはつらいものです。
しっかり準備して、自分の建て時を見極めたいものですね。
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