見積もりを明細にするとなかなか工事費は下がらない?
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※建築サポートは家づくりのアドバイザーなので設計や工事請負は行っておりません。
家の価格を知るためには見積が必要です。
その見積もりには決まったルールがありません。
本体工事1式で出してもいいし、柱の1本から基礎工事の鉄筋の数量まで細かく出してもいいです。
一般的には大手ハウスメーカーは本体工事1式という見積もりが多く、地域の工務店の場合は明細付見積もりが多いようです。
ただ、最近は仕様や使用する設備機器などが最初から決まっている企画型住宅、商品住宅も多いので車と同じように本体価格1式と価格表みたいな感じで出す大手ハウスメーカーや中堅建築会社、ビルダーも多いようです。
ではどちらがいいのかというと、どちらでもいいというのが今の私の考えです。
以前は、見積は明細まできちんと出さなければエンドユーザーに信頼していただけないとか見積は明細まで出すのが当然だとか思っていました。
しかし、細かく項目を分けて見積もりをしていくと思わぬ弊害が出てきました。
それは何?
それは「見積価格が高くなる」ということです。
たとえば大工さんの手間を、床貼り、窓枠取り付け、ボード貼り、階段加工、土台敷き棟上げ、バルコニー造作、和室造作などと細かく分類しその作業に対して、いくらとしていくと?
その作業に対する単価が最低限の金額ならいいのですが、普通は少し余裕を持たせた単価で見積もります。和室造作が大工一人で3日×2万円=6万円と見積もっていたのが実際は5日×2万円=10万円となったらそのオーバーした金額4万円は、工務店の負担になりますからね。
最低限の単価で見積もっていてそれを実際超えた場合、工務店は損します。
だから最低限の単価では見積もることはなく、余裕がある単価で見積もります。
工務店も経営ですから損しないように見積もるのは当たり前のことです。
エンドユーザーとしてはもっと安く見積もりを出す工務店を探すか?
その見積もりを出した工務店と価格交渉をするかの選択肢があります。
明細が多いということは、それを積み上げていくのですから、必然的に価格は高くなっていきます。
工務店のリスク分の費用が多く入るようになるのですから。
もちろん明細の見積もりは、材料は何をいくらぐらい使われているのか?
この工務店はシステムキッチンをいくらでエンドユーザーに販売するのか?
ということが分かり、見積もりの金額が不透明というのを防ぐことはできます。
ただ、不透明さがなくなるのと建築価格が下がるとは別問題です。
もしあなたが見積金額の不透明さをなくすよりも建築価格を下げたいのなら
明細が細かく分かる見積ではなく、坪単価の見積もりで交渉するのが確実です。
先の大工さんの手間で言うと1坪いくらでやってもらうかです。
家の大きさが30坪なら、30坪を相場の4万円でやってもらうのか?
少し儲けてもらいたいので5万円でやってもらうのか?
それともローコストの3万円でやってもらうのか?
工務店相手なら相場やその工務店の坪単価が50万円だとしたら、品質は落とさないで45万円でやってもらうように交渉しましょう。
坪5万円安くなれば30坪の家で150万円は安くなるのですから。
こういう交渉は、明細付見積もり書を根拠にした場合はなかなか難しいと思いますよ。
なぜなら、工務店の利益や経費の部分を安くするような交渉になるのですから。
誰だって自分の家に使う材料を安いのにする、地震に弱い家にする、夏暑い冬寒い家にする、大工さんや左官さんの手間賃をきちんと施工出来ないくらい安くしてという交渉はしないですから結局、工務店の利益や経費が交渉の中心になります。
ただ、誤解してほしくないのですが、多くの工務店やハウスメーカーは、詐欺やぼったくりみたいに利益や経費を取っている訳ではありません。
それぞれの会社の大きさや経営状況に応じて利益や経費を取っています。
建築会社にとっては適正な利益でも施主さんに取ったら多すぎる利益という考えもあります。
私個人的には建築会社、工務店はもっと経費削減をして少しでも安くいい家を提供してもらいたいと思っています。
が、これがなかなか難しいというのが現状です。
しかし、その価格がエンドユーザーの予算に合わないので価格交渉や値引きをするということです。
住宅会社から見た価格とエンドユーザーから見た価格は立場が違うので当然相反するものです。
(私が目指す家づくりは建築費を下げても工務店や建築会社は利益を出せる仕組みです。
建築費が下がっても工務店や建築会社が利益が出ないのでは社会のためにもなりませんし最終的にはエンドユーザーのためにもなりません)
価格交渉するなら坪単価で交渉!
坪単価交渉で価格を決める場合は仕様書や図面が大事になってくるのでそこは注意してくださいね。
もちろん明細付見積もりでも原価公開の見積もりの場合はそれなりにメリットはあります。
工務店の経費や利益部分を安くしてもらうことができれば、品質を下げずに安くなりますから。
でも実際は原価公開の見積もりを出しているところは皆無です。
普通は工務店のリスク分や利益分を色々な項目に分散させた、上乗せした見積もりですからこのような見積もりなら明細があってもなかっても大した違いはありません。
ちなみに佐賀県の注文住宅の坪単価の相場は本体工事坪単価55万円です。
東京あたりは坪70万円人口密集地が高い傾向にあります。
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利益が多い大手ではムリ!
安くてもいい家を建てるには建築業者選びも大事です。
基本的に大手ハウスメーカーで建築費、価格の安さを期待するのはムリでしょう。
積水ハウスや三井ホーム、ダイワハウスに一条工務店、
住宅メーカーと言われる会社です。
この住宅メーカーの特徴はとにかく有名で家を建てようと考えた人なら誰もが知っている有名住宅メーカーです。
そしてもう一つの特徴は価格が高いということです。
有名住宅メーカーの家を建てたい。
この会社の家が良いからと言って住宅相談に出かけて見積をもらい、自分の予算では建てられないという事が分かった。
そうして建築サポートに来られる方も結構多いのですが、なぜこのように有名住宅メーカーの家は高いのか?
坪単価で言うと70万円~ 80万円です。税込み。
考えたことはありますか?
結論から言うと経費利益が高いからです。
建築サポートの経費利益の4倍から5倍はは建築費に上乗せされています。
有名住宅メーカーに限らず建築サポートの経費利益の2倍3倍の経費利益を取っている普通の工務店、建築会社が今の家づくりの現状です。
ちなみ経費利益を適正に減らす事が出来れば同じ家でも坪53万円~55万円になります。
一気に安くなります。
どうしてこうなったのか?
結局それは儲けたいからです。
利益をたくさん出して会社を成長させたいからです。
ビジネスなのでそれは仕方ありません。
で、そのような有名住宅メーカーの都合のいい家づくりに一消費者のあなたが、人生最大の買い物をするのに相応しい業者とは思えません。
普通の消費者が普通の生活をして家族と暮らす家が普通の価格で安く建てることが出来ない。
こんな今の家づくりは間違っています。
大富豪やお金持ちは違います(笑)
安くてもいい家を建築可能にするには今の家づくりの経費利益を適正に安くする必要があります。
施工費や材料費にはお金を掛けて建築業者の経費利益は適正に減らす。
しかし、有名住宅メーカーは現状の規模を縮小しない限り経費利益を減らすことは不可能です。
これからの新しい家づくりは施主のための家づくりになります。
今までの建築業者主導の家づくりにはオサラバする時代のようです。
本当に心から施主のための家づくりをしない業者は淘汰される時代だという事でしょう。
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