注文住宅の建築業者、工務店選び。安くてもいい家をつくれるか?
新築を希望される方は年々減ってきています。
私が現場で働いていたころは業界規模は年間120万戸~130万戸の仕事が
ありました。
今は大まかですが90万戸くらいでしょうか?
この先は60万戸ぐらいまで減るそうです。
それに比べ建築業者の数は減るには減っていますが着工棟数の減少よりは
緩やかという事で少ない市場を競争して奪い合う。
そんな状況がこれから予想されます。
そんな住宅業界、建築業界ですが、
少し前までは品質は2の次で価格が安い低価格の家を
好んで建てる方も多かったようです。
しかし、最近は省エネ地球環境のいい家を建てる方が増えてきています。
ローコストより品質を重視される方が増えてきた。
低価格の家は一見、施主さんにとっては、
良いことのようですが安いのが取り柄で、省エネ対策は
ほとんどされていません。
しかし、それでもそれでも、たくさんの人が
低価格の家を建てたのです。
低価格の家の魅力は安いということです。
ただし、本当に安い、お得かどうか?は別問題です。
なぜなら今見えている安さ、お得さは目先の安さお得でしかありません。
実際は建てた後「安さ、お得さ」をはるかにを上回るお金を使っているのです。
こういったことは住宅の場合あまり考えない人も多いはずです。
車の燃費は気にするのに、住宅の光熱費、電気代は気にしないという人ですね。
まるでイニシャルコストだけを考えてランニングコスト
を全く考えていない人のようです。
例えば、、冷暖房計画を全く考えていない家は、
確かに購入金額は安いと思います。
断熱材やサッシも性能が低いものを使ったら安く済みます。
しかし、そのような家に実際に暮らしてみると、
エアコンや暖房機をガンガン使い、毎月の電気代がビックリ
するような金額になってしまいます。
昔みたいに我慢しながら生活すると言う事は、出来ないので、
どうしても使わずにはいられないのです。
最初の購入金額がいくらやすかっても毎月の支払いが多くなっては、
せっかく安く買ってお得だと思っていたのが、
少しも安くない、お徳ではないということになるのです。
確かに今は苦しい時代かもしれません。
出来るだけ安く家を持ちたいというのは当然で絶対考えなければ
ならないことです。
しかし、だからこそ本当に大事な事は何か?
ということが見えてくるものもあります。
間違っても、単に安いからと言った理由だけで家を選んではいけません。
経費利益がバカ高くかかっている、ムダに高い家を建てる必要はありませんが、
あなたの予算内で適切に安く、お得感を出す方法、魅力的な家を
つくる方法は必ずあります。
それを考えるのが、本当の家づくりのプロです。
このことが「言うは易し行なうは難し」ということはわかっています。
ただ、これだけは言えますが、
こういう時こそ、本物の家を出来るだけ安く作ることが大事です。
安くてもいい家をつくれる建築業者だけが生き残る時代です。
建築業者選びで家づくりが失敗するか成功するかが決まる時代でもあるんですね。
工務店選びをどうするか?
どんな工務店に工事を依頼するか?
家づくりは良くも悪くも設計通りの家になる。
工務店と設計は家づくりの両輪。
どちらが間違ってもいいい家になりません。
設計図に記載がないことは工務店はしませんし、設計図に記載してあることは
やります。
いい家は良い設計が必要であり悪い設計で良い家になることはありません。
納得できるまで修正変更を繰り返し、良い設計にしましょう。
設計も決まったら次は工事店、工務店探しです。
なかなかいい工務店に出会うことは難しいかも知れませんが、
良心的な工務店、正直な工務店に工事を依頼したいものですね。
たとえば33坪の家X自然素材X高断熱X高耐震Xデザイン住宅を
規模の違う工務店、建築会社で建てるとした場合の建築費はどのように
変わるのでしょうか?
全く同じ家を違う工務店、建築会社が建てるという事は実際は有りませんが、
もし建てるとしたらという事で計算してみました。
①一人大工の個人工務店:1770万円
②大工が経営する小さな工務店:1881万円
③営業が1~2人いる小さな建築会社:2006万円
④地元で有名な建築会社:2150万円
⑤全国的に有名な建築会社:2315万円
⑥普通規模のハウスメーカー:2508万円
⑦有名ブランドの大手ハウスメーカー:2736万円
一番安いところが、1770万円で一番高いところが2736万円。
この差は966万円。
約1000万円の違いが出ると思います。
同じような家を建てても工事するところが違うと金額は大きく変わります。
ま~一番の価格の違いは工務店、建築会社の経費利益の多い少ないという事で
建築費、価格の差になって現れます。
それを理解した上で工事店、工務店、建築会社を選ばないと安くてもいい家は
絵に描いた餅になります。
良い工事店、工務店や大工をどのように探すのか?
ということなんですが、いい工務店探しや腕のいい大工を探すのは
簡単なようでなかなか難しいものです。
しかし、
ムダな費用を省く安くてもいい家づくりの方法は図面通りの施工をしてくれる
工務店や大工を探すのが重要なカギになります。
大きな建築会社は見学会やモデルハウスなどで施主さんを集める
イベントを時々やっているので、知り合う機会はいくらでもあります。
ただ、良い工務店や腕のいい大工は、広告宣伝等のPR活動は
ほとんど行っていません。
それでなかなか出会うきっかけがないのです。
しかしそれで諦めていたら、今まで通りの価格だけが高い家を
手に入れることになるので、ここはしっかり考えたいところです。
それから大事なことですが決して有名な工務店や建築会社、大きな建築会社
を選ばないことです。
有名な工務店や建築業者、規模が大きい工務店や建築業者はどうしても
経費利益をたくさん必要とします。
だから安くていい家をつくることはできないのです。
工務店や建築業者はただただきちんと工事をしてくれればそれでいいのです。
具体的に建築業者を選ぶ時は?
まずは新築する地域にどんな業者がいるのかを調べます。
そして、気になる複数の業者と接触し、場合によっては相見積して
最終的に一社に絞ります。
この時、依頼先をなかなか決められない人がいます。
「A社は価格が魅力的。
B社は耐震性や断熱性が優れているから安心して暮らせそう。
でも、アフターフォローが丁寧なC社も捨てがたい…」
といった具合に。
確かに、それぞれの業者には長所も短所もあるので
『最も優秀な業者』を選ぶのは難しいですよね。
「全部の業者のいいとこ取りをしたい」
という気持ち、よくわかります。
しかし、最も優秀な業者を選んでも、
あなたが望む家づくりはできません。
なぜなら、あなたが家づくりする理由は、
あなたと家族が幸せになるためだからです。
そのためには、『最も優秀な業者』ではなく、
『あなたの家づくりに最も共感し、それを実現してくれる業者』
を選ぶ必要があります。
そのためには、どんな家づくりをしたいのかが明確でないと、
無事に契約を終えたとしても
打ち合わせの度に気持ちが揺れ動きます。
それを繰り返すと、
あなたも業者も疲れ果ててしまうことでしょう。
例えば内壁。
壁紙にする? 塗り壁にする?
壁紙にするとしたら、
素材はビニールクロス? 紙クロス? 織物クロス?
では、そのデザインは?
壁紙は部屋ごとに変える? それとも統一する?
…結構大変ですよね。
このとき、
・多少高くても、健康を最優先にした壁紙にしたい
・子供が汚してもストレスが溜まらないよう、
汚れや傷が目立たないものがいい
・ほかの部分に予算を回したいから、価格を重視したい
など明確な基準があれば、考えが迷走することはありません。
住み始めてから後悔する可能性も低いでしょう。
あなたの心の中には、
「こんな家づくりをしたい」
という明確な基準ができていますか?
できているなら、後は、
それを叶えてくれる業者を探せば良いだけです。
もしできていない状態で話を進めると、
何も決められなかったり、
後悔する可能性が高くなります。
そういえば、外食をする時、
どこに行くか長時間迷う人がいますよね。
やっとお店についても、
メニューを見て延々と迷ったり。
その理由は、その人の中に明確な基準がないからです。
あなたは、そんな傾向はありませんか?
もしあるのなら、外食をする前に、
明確な基準を設けるよう習慣づけてみましょう。
その習慣は、家づくりにも役立ちます。
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