お金って、銀行に行けばもらえるんでしょ?
「お金が無くなったら、誰かに借りればいいじゃない」
「お金って、銀行に行けばもらえるんでしょ?」
ある小学生が発した言葉です。
彼女は一人っ子。
彼女の両親も一人っ子です。
そのため、両親と祖父母の6つのお財布で
彼女の欲求は常に満たされています。
「もっと我慢をさせなきゃいけないのはわかっているんだけど、
私が我慢させようとしても、他の誰かがお金を出すのよね・・・」
というのが、そのお母さんの最近の悩みです。
娘さんが小さい頃はそれほど気にならなかったそうですが、
PTA役員になり、いろんな世代の親御さんと話をするうちに
「お金について、私は娘に何も教えていない」
と気がつき、愕然としたとか。
しかし、娘さんの金銭感覚を変えるのは簡単なことではありません。
それに、
「孫の喜ぶ顔を見たい」
というご両親に協力を求めるのは、なかなか難しいそうです。
「何だか、孫への愛情を拒否しているようで。
それに正直なところ、今のままの方が私も助かるし・・・」
wさん、こういう話って多いですよね。
彼らが成人して、自分の家庭を築く時、
金銭感覚がこのままだったら大変なことになります。
それに、これからwさんが家づくりをして、
住宅ローンや教育費などで出費が増えると、子ども達の協力は欠かせません。
そこで、最近の子どもの実態について調べてみました。
すると、金融広報中央委員会が発表した
「子どもの暮らしとお金に関する調査(第2回)」に、興味深い項目がありましたよ。
この調査によると、小学生の約8割、中学生の9割弱がお小遣いをもらっています。
ちなみに、小学生のお小遣いのもらい方は
低学年・・・「月1回」=13.2% 「時々」=58.5% 「毎日」=9.2%
中学年・・・「月1回」=34.3% 「時々」=43.9% 「毎日」=8.0%
高学年・・・「月1回」=52.2% 「時々」=30.6% 「毎日」=5.7%
となっています。
じつは、この「時々」「毎日」というのが問題なのです。
多くの専門家は、
『必要な時に必要なだけ与える』という方法は好ましくない」
と口を揃えます。
決まった金額の中でのやりくりを体験させることは、
計画性を身につけさせるのにとても有効だからです。
そういえば、主婦の雑誌で紹介される家計のやりくり法でも
「先取り貯蓄」や「袋分け」が推奨されていますね。
現代は
・お給料は口座振込
・電子マネー・クレジットカードの普及
といったことで、お金を目にする機会そのものが減っています。
最近の事例で
『子どもがネットゲームや通販を利用して、親のカードで400万円使った。
その請求が来て、初めて親が知った』
というものがあります。
仮に、親のカードの管理が不十分だったとしても、
子どもにお金の教育をしておけば、避けられた事態だと思いませんか?
といっても、金銭感覚が怪しいのは子どもだけではありません。
「数量限定」「期間限定」「バーゲン」に反応する私たちも同じです。
私たちの世代は、学校でお金に関する教育を受ける機会はありませんでした。
最近の学校では、積極的にお金の授業を取り入れるところもありますが、
家庭での日々の教育の方が効果的です。
日本では、お金の話をすることをタブー視する風潮があります。
ですが、正しい金銭感覚や知識を身につけるためには、
日頃からの対話が大切です。
家計を積極的に開示したり、労働や貯蓄のことについて話したり。
「お父さん(お母さん)は、どうして毎日仕事をしているのかな」
「おじいちゃん・おばあちゃんは働いていないのに、
○○ちゃんにお小遣いをあげられるのはなぜだと思う?」
そんな会話は、子どものためだけではありません。
あなたの資金計画にも、きっと役立ちますよ。
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