住宅ローンの注意点
住宅を購入するというのは一生に一度、有るか無いかのとても大きな買い物です。
スーツを1着買うだけでも迷うのですから、住宅ローンも迷うのが当たり前です。
住宅ローンはとても高額な買い物だけに、固定金利や変動金利がわずか0.1%
の差でも数十万円以上の差になってしまいます。
住宅ローンをどうするか考えるときに、
「退職金で完済すればいいから、頭金がなくても年収が少なくても大丈夫ですよ」
などと言われて住宅ローンを組んでしまう人がいますが、これは少々考え物です。
一昔前は退職金でローンを完済するという方法が正解だったかもしれません。
しかし現在は、1年間で1万件以上の企業が倒産している時代です。
ましてや、預貯金も少ししかなくて頭金も用意できない、年収が少ない
ような人の場合は、どれくらいの退職金が出るのでしょうか。
今の時代、50歳代でも預貯金がほとんどない、という人がおよそ3割もいると言われています。
そしてこのような人にもいとも簡単に「退職金で完済できるので、年収が少なくても頭金がなくても
大丈夫ですよ」などと言って住宅ローンを組ませようとするケースもあります。
「俺でも夢のマイホームが手に入るのだ」と嬉しくなって、よく考えずに住宅ローンを組んでしまわない
ようにしてください。
よく考えてみましょう、マイホームが手に入っても老後の長寿社会を生き抜く
ことが出来るのでしょうか。
夫婦2人が定年後暮らしていくには毎月約25万円程必要だと言われています。年金だけでは
とても足りません。それを預貯金で賄っていかなければならないのです。
そのための退職金を住宅ローンで0にしてしまっては、長寿社会を生き抜くことが困難に
なってしまいます。
急病や介護のための費用が必要になった時は、どうすればいいのでしょうか。
「退職金で完済できるから大丈夫ですよ」は、退職金がたっぷりと出ていた時代の事、
定年後は年金と預貯金で余裕のある暮らしができる人に対するアドバイスです。
住宅ローンを選ぶときは「退職金で完済できますよ」という言葉を鵜呑みにしないように
気を付けてください。
ところで、
住宅ローンは、大きく分けて固定金利と変動金利の2種類に分けられますが、両方に
メリットがあります。
各金融機関では大抵の場合両方の商品を用意しており、利用客のライフスタイルや
経済状況などによって何を選べばよいのかが異なるのが特徴です。
固定金利はその名の通り、利用を始めてからローンを払い終わるまでの金利が
同じなのが特徴ですが、景気に左右されない反面金利が低い時代になっても
高い金利で固定されたままというデメリットがあります。
しかし、金利の高い経済情勢になった時でもそれに伴って上昇しないというメリットが
ありますので、近年のような低金利時代ではより選ぶメリットが大きくなってきています。
変動金利は、経済情勢などによって金利の見直しが頻繁に行われるためそれに合わせ
て変動するのが特徴の商品です。
もともと固定金利に比べて金利上昇のリスクがあるため、固定金利よりは低めに
設定されているのが一般的になっています。ここ数年はかなり低金利の時代が
つづいているため、変動金利は繰り上げ返済で早期に返したいという方に
人気がある傾向です。
固定金利と変動金利のメリットを両方享受できる商品もあります。
これは固定金利の安心感と変動金利のお得な部分を兼ね備えたもので、
割合は任意で決定することが出来ます。
ここ数年の低金利に伴い、住宅ローンは非常に有利に返済することが
できるようになりました。
変動金利は金利が見直された時に上昇するのが不安、という方からは
固定金利のローンが選ばれる傾向にありますが、変動金利は非常に
低めに推移しており、今後もその傾向は続くと考えられています。
繰り上げ返済をしていくと金利分を支払う割合が減るため、変動金利で
ローンを組んで繰り上げていくという方法が最もお得と考えられますが、
景気や経済情勢に伴って今後上昇するリスクもありますので、
心配という方は固定金利を選んでおくと総支払額の予定が
立てやすいでしょう。
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